◆8月13日(水) 金子(記)
前夜は泊駅で、ごろ寝して駅前からタクシーで北又小屋へ向かう。途中、小川温泉に寄ってもらって林さんパーティーと挨拶をかわした。下川君は、いつも眠そうな顔だが、さらに眠そうだった。北又小屋で主人に計画書を渡してダムから下流へ北又谷を下っていくが、お待ちかねの獲物に、まとわりついてくるオロロの数は半端じゃない。今年はオロロの大発生の年のようだ。二時間で柳又谷出合に着く。柳又の流れは、雪しろでササ濁りのダァーダァーで、普通の北ァの沢でいう7月初〜中旬の流れに感じた。飛竜峡まで渡渉は全てザイルを出す状態で時間がかかる。右岸からの高巻き途中に見たL字淵は白泡が煮えくり返りとても近づけそうにない。ルンゼをザイルを出してトラバースして、1ピッチ懸垂してガレを登り返して、潅木のクライムダウンでタンバラ谷出合に降り立つ。この先、幾分渡渉が楽になって三時頃に楊河原着。飯が炊ける頃、大粒の雨が落ちてきて、タープの下に逃げ込んだ。二時間程で30〜40cm増水。さらにコーヒー色になった流れの中からは岩のぶつかり合う不気味な音が響く。明日はどうなることやら・・・
◆8月14日(日)雨のち曇り 谷口(記)
朝やんでいた雨も沢支度をするころには再び降り始め、撤退を決める要素としては十分だ。このまま核心部へ突入してもおそらくぬけられないだろうと判断し、死人谷から杉谷へ下降する。死人沢は特に滝もなくあっさりと登るが杉沢は北又谷との出合付近で連瀑帯となっており、7m滝は右岸を懸垂、3段25mの滝は初めの3m滝を左岸からまいて2ピッチで沢におりる。その下も10mの滝がおちており、少し登り返して50m×2本の懸垂で連瀑帯を抜けた。下から見ると15m、10mと豪快な滝が続いており、下降でよかったと思える。すぐに北又谷と合流。水流は昨日よりも多く、こちらでも雨が降ったようだ。ここからある意味、本日第二の核心と言える事態が。アブの襲撃だ。体にまとわりつく数ざっと100匹は超える。腕にくっついている大群をたたくだけで20匹ほどがボトボトおちる。厚手の長袖を着ていたためさほど刺されなかったが、渓流グローブから出た指はかっこうの餌食だ。休憩する気もおきず早足なため1時間10分で北又小屋に着いた。小屋の人がいうには「こっちは昨日の夕方はそんなに降ってない」と言う。少し離れただけだがこれ程までに天気が違うものなのだ。小屋でタクシーを呼び柳又に別れを告げたのであった。
【DATA】
●8/13 北又小屋6:40〜7:00→北又堰8:55→広河原10:20→L字淵巻き終わり14:00→楊河原14:55
●8/14 死人谷7:20→北又谷12:00→北又小屋13:30