白山/庄川支流福島谷〜日照岳〜保谷下降

■2003.8.23-24  ■高橋/伊藤・山下  藤原(無所属)

 

■夏の終わりの白山、渋い谷と激ヤブとの格闘

8月23日 晴れ
四方を大伽藍のような崩壊壁に囲まれた福島谷出合は、これから遡行する我々を拒むかの
ような威圧感を見せていた。
発電所の施設を右に見ながらゴーロを歩くと、すぐに釜をもった斜瀑20メートル。右岸のガ
レから簡単に巻く。しばらくゴーロとなり堰堤に阻まれる。右から高巻き、発電所の巡視道路
に出た。すぐ上にも堰堤がみえるのでそのまま道をたどり、切れたところで沢に下りると、北
俣谷との二俣になった。
ワイヤーが散乱し、鉈目が残るゴーロを歩く。ここまでは意外に人臭い沢である。巨岩が転
がるゴーロ帯を過ぎるとゴルジュの中に釜をもった5メートルのチョックストーン滝がかかり、
右のルンゼから15メートルの滝が落ちている。空身で釜からの直登を試みるが、手がかり
がなく登れない。結局、右のルンゼの滝をシャワーを浴びながらロープを出して登るが、見た
目より悪く、ぬめっており、上部がしょっぱかった。
おそらく釣師もここまでだと思うが、福島谷のすばらしさは、ここから始まるゴルジュにあった。
滝上に出ると、右からのガレが入り、釜をもった6メートル滝となった。釜を右からへつり、水
流際を微妙なへつりで突破。更に6メートルのチョックストーンをもった滝が続き、右岸から階
段状のナメが入る。ゴルジュは幾分狭くなるが、側壁は低く威圧感は無い。連続する淵を胸
まで浸かって突破していくと、右岸側壁から40メートルの滝が落ち、すぐに10メートルの淵に
阻まれる。右岸の壁からはロープの切れ端がぶら下がっているが、背伸びしても届かない高
さにある。高巻くよりも泳いで突破したほうが早いと判断し、ザックピストンで突破する。淵の
出口はチョックストーンになるが岩を抱え込むように越える。
息をつかせぬまま、すぐ上にはこの谷最大の20メートルの直瀑がかかっていた。右岸の草付
きから落ち口目指してバンドを辿るとようやくゴルジュが終わった。
しばらくゴーロとなるが、眼前に何と取水口出現。一同唖然とするが、間違いなくコンクリートで
できた施設である。いったいどうやって資材を運んだのか、よくもまぁこんな場所に、まったくご
苦労様である。
谷は平流となり、のんびりとゴーロを歩く。13時過ぎには泊場に予定していた二俣に着いたが、
タープを張れるスペースがなく、しばらく本流を進んだ川原に絶好のサイトをみつけ、幕を張っ
た。
幕場からすぐ上流にぶらぶらと出かけた藤原さんは、「見た〜、ラッキー!」を連発しながら、
至近距離で熊と遭遇し感激して戻ってきた。うらやましい限りである。

fukusimatani1.jpg (31221 バイト)fukusimatani17.jpg (39626 バイト)

8月24日 晴れ
二日続きの晴天。悪天に泣かされた今シーズン、夏も終わりに近づいて天候も安定してきたよ
うである。幕場から二俣まで戻り、1754メートルのピークを目指して右岸の沢に入る。30分程で
水が涸れ、ブナの原生林の中を辿りヤブをしばらく漕いだら稜線だった。
今回の山行のポイントは稜線のヤブ漕ぎにあったようで、そこから日照岳の頂上まで3時間近
くの激ヤブとの格闘となった。数年前にも南面の尾上郷川カラス谷右俣を遡行して、同じ稜線
をひたすらヤブを漕いだという記憶があったが、あの時は10月の終わりで、今回は炎天下の真
夏である。ヤブも半端ではなく、やっとのことでたどり着いた日照岳は、ヤブに埋もれた三角点
と朽ちて転がっている標識がなければ、頂上だと分からないくらい、深いヤブのなかにあった。
しばらくの休憩の後、保谷に下降。傾斜はそれほどでもないが、クライムダウンできない滝が連
続し、都合5回の懸垂で連瀑帯を下降する。捨て縄を6本ほど残置してしまった。溯行される方
があれば除去していただきたい。
保谷は下流部になると左右からの壁が崩壊し、落石を気にしながら下りるが、送電線と御母衣
ダムが見えてきてからが長かった。[高橋 記]

〈タイム〉
8/23 福島谷出合7:00  北俣谷出合7:35  20メートル直瀑11:40 取水口12:40 二俣14:00  幕
場14:10
8/24 出発6:45 稜線7:40 1754メートルピーク8:25 日照岳10:00  保谷下降点(コル)10:50 保谷
出合(国道)15:15 福島谷出合15:45

 

名古屋ACCトップページ2001年山行記録