白山三方崩山大ノマ谷第二岩稜

■2003/3/22-23 高橋/岡庭・竹中・中井


■世のおじさんクライマーたちにぜひ登って欲しい、魅力溢れるバリェーションルート

食わず嫌いだったのか、これまで白山の雪稜にほとんど足を踏み入れることなく年月を重ねてきた。昨年の冬の集中で弓ヶ洞谷右岸尾根から三方崩山を登ってから、自分の中に雪の白山の存在がにわかに大きくなってきた。と同時に、本音はしばらく離れていた雪山登山に目が向いてきたと言おうか。
さて、大ノマ谷へはかれこれ20年以上も前に入ったことがある。迫力ある側壁群をもう一度見てみたい。すっかりおじさんになってしまった自分に歯が立つだろうか。そして、第二岩稜はやさしく迎えてくれるだろうか。

3/22(曇り)
ぼんやりと薄明るくなった大ノマ谷に足を踏み入れる。ここまでラテを点けて雪の林道を歩いてきた。気合が入っているのだ。雪崩の危険を避けて一気に取り付きに急ぐ。しかし、悲しいかな元気なメンバーたちのペースについていけない。このところの不甲斐なさは情けないばかりだ。
第二岩稜へはセオリーどおりルンゼをしばらく登って取り付くことにするが、深追いしすぎたのが仇となった。あとで後悔してもしょうがないが、取り付き点を自覚しつつも、自分の判断力を信じるべくタイミングをはずしたのは後の祭り。なんとなくはまりそうな予感は経験値からくる五感が察知していたが、メンバーに対しての強いリーダーシップの足りなさを痛感。今後はメンバーの意見は尊重もするが、最終的にはリーダーとしての自分が決めることにする。もちろん、メンバーの暴走は許さない。少なくとも僕がリーダーの山行ではだ。最悪の状況はすぐにやってきた。ルンゼは傾斜を増し、やがて細い潅木にぶらさがる羽目になってしまった。トップを交代した僕は、スカスカ雪のかぶった雪壁に何度も跳ね返され、両足までつってしまい、額から脂汗が出る始末。突破口が見出せないまま1時間が経過し、キノコ雪の基部を右に回りこんで、ようやく尾根に乗ることができた。

daini5.jpg (21019 バイト)daini8.jpg (37031 バイト)

キノコ雪を被った雪稜にはトレースがあった。ちょうど一週間前に発売された『岳人』に、当会の浅野・林正の記録が掲載されていた反響なのだろうか。それにしてもすぐに反応する登山者にも脱帽だ。最も僕らも人のことは言えないが(笑)。トレースは前日のものと思われた。
雪稜に乗ってからはザイルは快適に延びた。ランニングビレーはスノーバーを使用するが、スカスカ雪には気休め程度。確保はアックスとデッドマンのダブルでとる。デッドマンはよく利いた。雪稜は垂直の雪壁あり、ナイフエッジありで、実に楽しく登攀できる。忘れかけていた過去の登攀の楽しさがじわじわとよみがえってきた。最終ピッチまでロープ50bを10ピッチ繰り出し南尾根に出た。時間はまだ早いが、これから南尾根を経て頂上までは2時間以上はかかるだろう。浅野・林正パーティもかなりの時間を費やしている。日没までに間に合わない
だろうと判断し、平坦な場所を整地しテントを張った。

3/23(快晴)
第二岩稜の登攀で一応の目的を果たしたこともあって、気が抜けたのか、安心してしまったのか、モチベーションは上がらない。メンバーの誰もが頂上に目を向けていない(笑)。論議するまでもなく、頂上をパスすることに決め、南尾根を下降にかかる。対面の平瀬尾根のラインが目に鮮やかである。間近に見えていた白山本峰もどんどん遠ざかり、やがて見えなくなった。

<タイム>
3/22 白山公園線ゲート4:50 大ノマ谷出合5:35 第二岩稜基部7:50 第三岩稜合流点14:30 南尾根15:00 幕営
3/23 出発6:45  大ノマ谷出合9:55

 

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