白山/三方崩山弓ヶ洞奥壁第二岩稜、第三岩稜(仮称) |
■01/03/24-25 前夜発 ■林正/浅野 |
| ◆弓ヶ洞奥壁第二岩稜(仮称) 24日(快晴) 前週から中3日でまた三方崩に戻ってきた。前夜いつものように共同浴場の軒先で寝ていると、夜中にエンジン音が聞こえていたが、やがて聞こえなくなった。朝起きると車に鮎川さんのメモが残されており、前夜のエンジン音が彼らのものだったことを知る。鮎川―佐藤(裕)ペアは予定通り2日間で白山のど真ん中にそそり立つ地獄尾根(火ノ御子尾根)にチャレンジするようだ。健闘を祈る。 最末端は脆そうな岩が露出しているので、ロープを出して稜右側の急峻なルンゼから雪稜に上がる。堅雪にダブルアックスが決まりなかなか快適なピッチ。1本ルンゼを挟んだ上流にある第一岩稜は、岩峰の登攀が核心になるだろうわりあい易しい雪稜を2ピッチ進んで核心と思われるピナクルの通過は、順番で浅野さんがトップを行く。苦しい体勢でピナクルのキノコ雪をスコップで崩し続けるが、やがて断念。ピナクル基部の右壁トラバースから、バックステップで少し下り、ルンゼを登高して安定した大木でピッチをきる。垂直に近い側壁のトラバースがやけに恐ろしく、このルートの核心であった。ちなみにピナクルを直上できていたとしても、スノーキャップからは懸垂になりそうだ。雪壁から雪稜、藪混じりの雪壁と続き、垂直の段差に行く手を阻まれる。稜の右に回り込みトラバースすれば、傾斜が幾分緩い右稜に出られそうに思えたが、浅野さんは稜の左側に回りこんで消えていった。なかなかロープがのびないので嫌な予感がしたが、これがとんでもない木登りピッチだった。浅野さんがピッケルを落としたというが、藪の中には見当たらなかった。ザックが藪に引っ掛かって苦労したが、なんとか雪稜に這い上がる。さらにスタカットで2ピッチ雪稜を登高し、あとはコンテで北尾根へ。核心は下部の8ピッチだけでスケールの小ささは否めないが、小粒ながらピリリと辛い、そんなルートであった。 前週と同じように弓ヶ洞谷中間尾根を下り、途中からBCへの最短距離となる支稜へ入り、BC着。12時間近い行動に2人とも疲れたのか、酒が入るとあっという間に睡魔に襲われ、僕なんかはコップで水筒に水を入れている最中に居眠りしてしまうという有様だ。ちなみに水はこぼさなかった。 <コースタイム>3/24弓ヶ洞林道P(6:35)弓ヶ洞谷二俣(7:15)左俣1190m付近BC(8:20〜35)第二岩稜左稜末端(10:00〜20)北尾根稜線(16:20〜45)BC(18:15) ◆弓ヶ洞奥壁第三岩稜(仮称) 25日(曇→雪) 3時起きでこの日も谷を詰めていく。計画では2日目は第一岩稜の予定だったが、尾根の上部にはガスがかかって暗く、視界のないときに登ってしまうのは勿体無いという気持ちと、岩峰にもっと雪が付いている時期の方が快適そうだという気持ちから、今回はパス。雪が堅くて歩きやすいデブリをつないで第三岩稜の末端へ。 右の沢の上流にはいかにも登りやすそうな支稜がのびているが、前日と同じ理由により、一応末端にこだわりたい。末端壁は三角形の右の辺にロープをのばす。この日最初のトップは浅野さん。雪稜から浮石の多い岩稜に入ったところで苦労し、一旦諦めかけたが、何とか通過して雪壁基部へ。2ピッチ目は雪壁から雪稜へ。ここでロープを外し、ノーザイルで岩壁帯まで登高する。岩壁帯の中央部分に広いルンゼが食い込んでおり、傾斜も緩いのでそのままノーザイルで進むが、次第に狭くなり傾斜も増してきた。ロープを出してもいいかなという感じだが、既に安定したビレイ点が得られそうもなかったため、騙し騙し登ることにする。なおも傾斜が増してきて、最後は潅木にすがりつくようにしてようやく傾斜の緩い雪稜上に出る。結果的にはロープを出すべきところであったと反省。その先も急な段差越えがあったり、グサグサ雪のトラバースがあったが、結局ロープを出さないまま、最後の急登を登り北尾根へ。前日と同じルートでBCに戻り、スキーのシュプールなどを見ながら林道へ。この日は真理子さんたちも日帰りスキーで大ノマ谷に入っている(本当の目的は前週なくしたピッケルの捜索だってこと、メンバーは知ってるのかな…)が、うまく交信できなかった。共同浴場でひと風呂浴びて、出てくると数台のスキーを詰め込んだワゴン車の中に真理子さんのザックを発見し、メモを残しておく。白山公園線のゲートにも車があったので、鮎川さんへのメモを残し、平瀬を後にした。 さて、今回登り損ねた第一岩稜は来シーズンのお楽しみとしたい。弓ヶ洞谷奥壁第一岩稜〜三方崩山BC〜大ノマ谷(下降)〜南尾根第一岩稜〜BC〜弓ヶ洞谷中間尾根(下降)なんてのができればなーと思う。後日、鮎川さんからメールが入り、地獄尾根を無事完登し、計画通り2日間で終わったとのこと。凄い!白山における積雪期バリエーションの頂点に君臨する地獄尾根、いつかは登らなければなるまい![林正 記] 〈コースタイム〉3/25BC(4:55)第三岩稜末端(6:00〜20)第一岩壁下(8:25〜35)北尾根稜線(9:55〜10:10)BC(11:30〜12:00)弓ヶ洞林道P(12:50) |