名古屋ACC(名古屋アルパインクライミングサークル)〜沢登りと山の会

名古屋の沢登り好きな山岳会

身延山地 縦走(竜爪山―十枚山―八紘嶺―七面山)


■2009年4月9日〜13日

■L盛小根(記)

初めての単独行、しかも縦走(山中生活)、どんな心理状態になるのやら?3泊4日予備日1日を設定し天候のいい日を選んで出発した。静岡県、静岡市清水IC近くの名瀬から県道201を北上。平山の集落から身延山地末端・竜爪山には最短の穂積神社からと考えていたが林道をがけ崩れの瓦礫が行く手を阻む。平山から西に振った林道を上がる。途中に「堂白道」と書かれたお堂と目の前にはヘリポートもあり、山桜は丁度散り始めの見ごろといったところ。閑散とした優しい風景に見とれてしまい月明かりでのビバーク。地形図は2万5千図だと数枚にも及ぶので今回は5万図を用意「清水、南部、身延」した。

◆4月9日(木)

竜爪山

朝、更に林道をつめると登山の看板がある。9:00発、此処から則沢沿いを行く。水もかれた尾根上に、斜面を見下ろすようにお地蔵さまが赤い帽子を被ってひっそりと立っていた。気温17℃まもなく1,040mの文殊岳へ到着(竜爪山は牛妻と文殊岳ピークの総称)。山頂から富士山や静岡市の町並みを見下ろすことが出来る。ここは中高年の日帰りハイカーが数人いたが縦走装備を担いだ私に「頑張って!熊に気をつけろよ!」。以前から花粉症の私は杉林の中、鼻水をすすりながら真富士山頂へ向かう。11:00穂積神社への分岐を通過、当初の予定から2時間の遅れというとこか。此処からは誰にも出会わない、それでも右手には木々の間から何時も富士山が並走し励ましてくれるので心穏やかに縦走を楽しめる。ただただ、そろそろ荷物が肩にくい込んで重いのと暑いのには参る、まだ初日なのに・・・。気を取り直し薬師岳を通過、富士見岳、真富士へのながい登りをこなしていくと15:40真富士第一ピーク到着、全工程を考えると先へ進むことにする。いったん下り、第二ピークへの登り。此処は樹木と岩稜のミックスした急峻な傾斜でFIXロープが設置されていた。1400m第二真富士山頂到着16:40、平地のスペースに富士山に見守られながらビバーク。唯一持ち上げた350ccのビールは、重いからと言い訳しテントを張りながら飲んでしまった。

◆4月10日(金)

竜爪山

5:30に起きだして出発は太陽がすっかり顔を出した7:20。まだまだ山旅の序盤、楽しまなきゃあと言い訳をする。今日も暑くなりそう、二日目の今日は水の確保も考慮しながらだから地形図の2枚目のどこまでいけるのやら?今日も時折現れる富士山に見守られながら広い尾根をまるで散歩するように湯ノ岳を通過、と思っていたらまもなく2mもあろうか?背丈を越える笹の藪漕ぎ2時間! 3月頃までなら良かったのかも知れないが、この時期の笹はぐうんと伸びたようだ。縦走荷で進みづらくなるとかがんでみたり後ろ向きで歩いたりした。1558m青笹山に9:50到着。誰も来ないし、いないはずだワ!!!とブツブツ言いながら上着を全部脱いで、入り込んだ枯笹の屑などを払い落として一息。岩岳を通過後、大木の近く地面に埋まる格好で 地蔵峠⇔下十枚山 の看板があり昨日の泊予定地の地蔵峠をいつの間にか通り過ぎていた。1600m十枚峠から安部川方面に100mほど下り沢で水を汲む。荷物は重くなったがこれでひと安心、十枚山へ急ぐ。此処からはエアリアマップにコースタイムと共に記載されているので気が楽だ。1726m十枚山山頂には標識と釣鐘が置いてあった。そろそろテント場をと探しながら歩いていると文殊岳以来若い単独行の男性に行き会った。梅ヶ島から私の逆コースを行くそうだ。尾根の広いスペースに風をよけテントを張った。

◆4月11日(土)

竜爪山

予定よりもチョット遅れ気味、6:00に出発するようにと4:00起きを予定していたが、テントに霜が下りるほど気温が低かったせいか?昨夜は咳き込み時々起きてしまった。明け方には鼻血も・・・結局出発は7:00。天気は今日も良いが風邪!!無理をしない様に気を使う。大光山を通過、大笹の頭に向かう途中の大木に人が腰掛けられるほどの馬鹿でかいサルノコシカケを発見! 13:00安部峠1400mに到着。本来の計画は八紘嶺を目指すところだが体調がいまいちの今、さらに2,000m近くまでこうどを上げるのに躊躇う。今日は標高800mの梅ヶ島温泉まで下りレスト、翌日山行を継続することにする。峠の旧道から安部川源流の湿原を眺め、下って行く。やがて細い流れはサカサ川となり阿部川に流れこむ。県道29につながる林道出て、2日前に静岡県側だけ開通した(峠は冬季車両通行止めで、山梨県側はまだ開通していなかった)此処に浜松からドライブにきたご夫婦車で温泉地まで送ってもらった。留守本部に予備日も使用する旨伝え、売店で紹介してもらった「旅館いちかわ」 に宿泊し、ここで"喉も痛いし鋭気鋭気"とビールを飲みまくる。

◆4月12日(日)

前日、温泉につかり栄養休養を補充し明るくなると同時に出発したかったが、宿の朝食は8:00からというところをなんとか7:00にしてもらい8:00出発する。温泉街にひとつある売店で行動食の補充にパンでも!と覗いてみたが包装がしっかりしてあるみやげ物しか置いていなかったので旅館でおにぎりをにぎってもらっていた。今日は長丁場になるので腹持ちのいいご飯がうれいし。林道ゲートの登山口から樹林帯を行き林道駐車場を左に八紘嶺へと向かう。木々ままだ葉を付けていないがカエデ、ブナが林立する。途中単独の男性2人と一組のペアに出会った。12:00八紘嶺1920m到着、七面山への長丁場に向けご飯をかきこむ。 七面山への道は所々に残雪が残っており、随所に倒木も沢山あるが大きいものは鋸で切ってあったりするので支障はない。ただ今まで並走していた富士山は杉林に隠れ姿が現れない!インクラ跡に宗教のノボリと札が祀ってあった。樹林に覆われた広い尾根を北へと進路をとり時折出てくる残雪を慎重に進み、視界が突然開けたすぐ先の七面山1,989mに17:00到着。そこから日蓮宗の敬慎院まで下って行く。池のあるほうから敷地内に侵入、表に回ってみてこれまた立派なお堂もあり大きさにビックリした。ここで水を汲み、門を出たすぐ脇にコンクリート製のベンチがしつらえてあるのに気づく。なるほど富士山が目の前にどぉんと居られる、夕日の富士・朝日の富士が期待できそう・・いっぺんで気に入り今日のテントサイトに決めた。

◆4月13日(月)

これまでひたすら北へと来たが、身延山へはいったん山を下り対岸の集落へアプローチをしなければならない。今日は予備日、下山遅延は避けなければ・・!6:00出発ができたら身延山を目指そうと決め朝の支度を手際良く済ませた。4:00に起きて30分もした頃から境内で大勢の人のお経を唱える声が聞こえてきて寝坊しようも無かったが。予定通り下山開始、後から次々と同じ作業服の若者や中年の方達が駆け下りてくる。聞いてみると会社の研修で敬慎院に泊まりこみで来たのだと言う。2時間程で羽衣の集落、途中4箇所の休憩所があった。これから七面山に登る数人のハイカーに行きあい、中には宗教目的風に登っている方も。春木川を渡す橋を行き白糸滝を見ながら行動食をほおばりながらこれからの行程を頭に入れ出発。赤沢集落(9:00)まで歩き、集落の中を突っ切って身延山まで登り、ロープウェイを使って峠を越えた久遠寺に降り立つ予定だった。集落途中の身延山への看板2つ目の所で間違えて獣の足跡ほどの残る斜面に取り付いてしまう。200mも上がった木ようやくテープと送電のための支柱の並びを見つけるが現在地が不明なので樹林の薄いところから集落の見定めそれを目指して降りて行った。峠ごえどころか、12:30到着した集落は赤沢のすぐ隣の角瀬 近くだった!疲れたぁ〜のと予備日を使っていると云うこともあり、色を付けたかった身延山はきれいさっぱり諦めてバスで麓を身延駅へぐるっと回りこんで行った。駅前のインフォメーションで入浴させてくれる宿を紹介してもらう。多少遠回りになるが、身延から甲府へ出て塩尻、名古屋の千種へと帰ってきた。

地図上直線距離50km、1,000mの末端の山から2,000m弱の七面山までの山旅は、風邪をひいてしまうというハプニングや連泊の独りだけ山中生活から里に下ってきたときの切り替え(山の大きさや距離感)は戸惑ったりもしが次に繋がる楽しい旅となった。

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