
先週に引き続きリハビリ登山に良い場所はないだろうかと南ア深南部の地形図を広げ、等高線を眺めていると、戸中をベースにバラ谷山と黒法師岳を周遊するルートが浮かんで見えてきた。戸中林道4.5kmの尾根に取り付けば、尾根通しにバラ谷山に出られそうだ。
前夜の水窪ダムには車が6台ほど止まっていた。ゲート前のスペースはそう広くないので、翌朝早めに移動しようと思っていたが、他の衆はもっと早かった。半分はきっと釣りだろう。
帰りの時間短縮を考えて、林道からMTBを引きずっていった。勾配の緩い所だけはペダルを漕いだ。4km地点の尾根が取り付けそうだったので、予定より早いが取り付いてみた。稜線に出るまではルートファインディングのつもりでいたのだが、杉と檜の植林の中を進むとすぐに杣道にぶつかった。獣道をトレースすることは想定していたが、まさかピンクのテープに道案内されることになるとは。しかしこのピンクのテープがどこに続くのかはわからない。自分の進むべき方向から逸れ出したら、構わず自分の方角を進もう。
作業小屋が現れた。その先からは道はあまり踏まれてないようだった。植林から明るい落葉樹の森にとって代わった。鹿の楽園といったところだ。まばらなテープを拾いながら脆い斜面を登ると、当初登ろうとしていた尾根に合流した。さらに進んで麻布山からの稜線に出ると、「戸中山林道→」と木に彫ってあった。地図には書かれていない、知る人ぞ知るルートだったのだろう。ここからは一般道。とは言っても来る人が少ないのであまり踏まれてはいない。
脂肪というものはエネルギー源としては効率の悪いものなので、心拍数が130回/分を越えると代わりに筋肉が燃焼し始めるらしい。ない筋肉がさらになくなってしまっては困る。息が切れないようにゆっくりと登った。1900mからはところどころ残雪が現れた。
バラ谷山の頂は開けていて気持ちがいい。「本邦最南2000mの地」まで足を伸ばした。今まで気づかなかったが、ここより南には2000m峰がない。中部地方に生まれ育ってよかった。
膝丈の笹を掻き分けて向かいの黒法師岳に登り返した。黒法師岳の三角点は+印ではなく×印なので、三角点マニアにはたまらないらしい。等高尾根を下り、芽吹いたばかりのヒメシャラやアカシデの二次林を突き抜けて林道に出た。当初登ろうとしていた尾根の取り付きは治山工事をしていて、登れる状態ではなかったので、早めに尾根に取り付いて正解だった。MTBを回収し、ダウンヒルを楽しんで車に戻った。