前日の朝、目覚ましより早く携帯が鳴った。目覚ましだと思い、いつものようにサイドボタンで切ったら、またすぐに鳴った。電話である事にやっと気付き出ると志代美さんだった。すぐに金子隊長に変わり話す。どうやら私達日帰り組のアプローチ地点まで車が入れず、かなり歩かないといけないらしい。榎本さんと中井さんに連絡をし、対応策を仰ぐ。 そんなドタバタがあり、E&Fパーティー合同チーム結成となった。
前夜、小原林道に入るとすぐにゲートがあり、【オープン時間AM7時〜PM6時】と書いてある。 この事態はマズい! まさかの登山道か…テントの中で酒を片手に話し合う。結局、滝波川ワサビ谷の本谷を行こう、そして時間があれば左俣をやっちまおう。
翌朝、起床予定より早い5時半に中井さんが「ゲート開けてくれるって」。ゲート守りのおじさんがゲートの小屋に泊まりこんでいたようだ。 急いでテント撤収してアプローチ点へ向かうべくゲートをくぐり車を走らせる。20分くらいか、結構走った。先々夜から入っているCパーティーの岡庭さんの車が停めてある右ヘアピン外側の駐車スペースに停めると、すぐさま沢支度。山が明るい緑に染まっている。雲も無い真っ青な空が嬉しい。 6:51 沢へのアプローチを開始。 緩んだ土の斜面を降りてゆく。 7:00にワサビ谷に到着。 遡行開始からしばらくは傾斜の緩い渓相だったが10分ほど歩くと大きな岩が沢の水を遮る様な、釣り師としてもワクワクする渓相に変わってきた。今日は集中。しかも、出来ればCパーティーとは違う左俣に行きたい。出竿する事なく、時々走る岩魚の影を横目に遡行を続ける。 9時20分、1160m地点の左俣との出合いに来た。地形図を確認しながらしばし休憩。 本当に良い天気だ。こんな日は写真も上手く撮れる♪ …気がする。
遡行再開して間もなく渓相が一変。両岸が切り立った岩壁15メートル、その上は傾斜のキツい泥壁というプチゴルジュ。目の前には1メートル5メートルの二段滝。WFM榎本さんのテンションが上がっている。 早速取り付いていた。左側の壁を2メートルほど登り落ち口に向かってトラバース。このトラバースのワンムーヴが悪いようだ。「上にも滝がある。偵察に行って来ますからザックよろしく」と言って、ザックを手渡すとサクッと抜けて行った。 次に落ち口上から見えた榎本さんの顔は満面の笑顔。だが、目は鷹のよう。「なんと行けると思います♪」。 ハーケンで支点を作り補助ロープを垂らしてもらう。まず全員のザックを荷揚げし、後に一人づつ登る。 やはり落ち口へ向けてのワンムーヴが微妙。「足を踏みかえるのだ〜!」榎本さんの天の声に助けられ突破。残った二方も難なく抜けた。 次の滝は、落ち口上に大きなSBを構えている。先程の滝より少し大きいが右岸側に弱点が多い。ロープの必要はなく登り滝の落ち口を左岸側に渡ってSBの手前で泥の草付きに取り付き、SBの上に出た。1240mで最初の残雪。それ以後、時々大きな残雪が残っており、メンバーの特に中井さんの日焼けに大いに役立った。1460m付近から、いよいよ大詰めと言った感じのヤブが出始めた。ここからがいつも辛い。オマケに今回、藪の熊笹で左目を突いてしまい、目ン玉が炸裂したかと思うくらい痛かった。まるで迷子の様に涙と鼻水を垂らしながら、最後尾をかなり遅れ進む。 元々体力が無いところへ、今年の冬にスキー場でぬくぬくと遊んで過ごしてきた罰がメガヒットしている。 行き倒れ寸前の様なザマで大長山山頂に着いたのは11:14だった。