「明星山のP6南壁・高500m、幅300m」、数年前に剣尾根を登攀する予定で現地に行ったが悪天中止になった折、お二人(石田、伊藤敦)の案内で見学に行った。川を挟んだ対岸にどぉんと居坐わる壁に取り付くチャンスが来た。前日(金)のPM9:30今池で拾って頂き、いつもながら1人運転の石田さんはカエルマナコ。眠そう・・・。日付も変わったAM1:00、豊科ICを1000円で通り抜けた。仮眠を摂り、鉄道大糸線と並走するR148を日本海目指しひた走る。観光地の白馬から姫川河口へぬける手前の小滝駅と別れ、ヒスイ峡へ。小滝川沿いの林道は途中から通行止め、おじさんが番をしていた。少し大回りし、目的の無料Pへ9:30到着。
現地に着いてみると、すでに左壁稜に8人ほど取り付いているのが見える。2,2,4人と3パーティというところか?核心部手前では、順番待ちをしている様子。「うーん、どうしよう・・・迷うところ。」初日の今日はパートナーが登ったことがあるルート、明日は直上ルートを設定していたが・・・。とりあえず、身支度を整え水晶を販売している売店脇のブッシュ帯から下り、小滝川河原に降り立つ。流れの中の岩に渡してある木を利用し対岸へ渡ることができた。直上ルートへ変更も考慮するが、取り付きがはっきりしない。
他パーティは無事核心部を抜けたようだし、時間的にチョット厳しいが途中懸垂下降も考慮し、とりあえず左壁稜に取り付いてみることにする。石田さんリード、川原から一段上がりブッシュを超えた垂壁が越えられない。そのうちにハーケンを打つ音が聞こえてきた。???なぜ?一時間も経った頃「ダメエー」と石田さん。「降りてきてください」と私。とりあえず基部で一休みしながら考えた作戦は、「空身で私が偵察して来ます」というもの。
さーて、此処を越えられないと始まらないし〜、、。石田さんに確保してもらい取り付いてみた。なるほど、自分の背丈を越える垂壁、石灰岩のガバホールドと間に短いブッシュがあるが剥がれるのでは?と思わせる岩壁。先行者も此処を行ったはずだからとそーっと体を預け這い上がると目線にハーケンが映り、ランニングビレーを摂る。垂壁上のバンドを右上しビレー、石田さんにも登ってきてもらう。すでに13:50、3ピッチ目の核心部を考えるとここから懸垂下降することにする。基部まで降り立ち偵察を兼ね、ノンビリ過ごすが直上ルートの取り付きはわからなかった。夕暮れ近16:30、Pへ戻ってみると先行パーティの車と思われる3台がそのまま在った。来る途中で目星をつけておいた小谷道の駅へ出向き、温泉600円と食事(温泉とセット利用すると300円割り引く)を済ませ、南壁前の無料Pの車横にテントを張り明日に備える。寝不足気味の初日、綺麗な星空のもと、もっと天の川を眺めていたかったが用意してあったアルコールを余しグッスリ寝てしまった。
敗者復活戦!下り坂の天候を考えればラストチャンス。目の前の南壁がうっすら姿を現す5:00に起き、眺めながらテントの外で朝食。松本ナンバーの軽が2人の若者を乗せ現れた。リピーターなのか迷う様子も無くサッサと小滝川に下りて行った。こちらも、7:00行動開始する。昨日同様売店横のブッシュ帯から河原に下り、対岸に渡り左岸稜基部。7:45登攀開始。
1ピッチ目、石田リード。空身で試登済み、今日はスムーズだが、やはり垂壁の乗っ越しは緊張する。
2ピッチ目、盛小根。ビレー点右の凹から右にトラバースし、カンテを登る。
3ピッチ目、石田、核心部。ランペを左上しハングした壁をアブミの架け替えで越える。終了点は狭い。
4ピッチ目、盛小根。急なスラブを右上、最初の一歩が遠くAIで乗り込む。さらに直上、ここで大休止。
対岸に観光バスを認め、売店横の展望台の人達が南壁を見ている。
5ピッチ目、石田。ブッシュ交じりV級の岩場を行く。
6ピッチ目、盛小根。V級の岩場、フェイスから右上バンド。
7ピッチ目、石田。松ノ木テラスからの凹ルートは岩が脆く、カムを効かせ両手で持った瞬間剥がれラック を引き起こす。石田さんは背中のザックがクッションとなり支点の松ノ木で止まり、大岩は確保している私の1m横を転げ落ちて行き大事に至らなかった。気をとり直し、松ノ木テラスからバンド沿いを左にトラバースし稜の左にブッシュを交えた壁から行く。
8ピッチ目、盛小根。稜沿いに行くが、やがてブッシュと岩のミックスとなり、コンテのままで大岩まで行きザ イルを解いた。
大岩を左側ブッシュ帯から越す。最後の易しい凹の壁を抜けしばらく行くと左に現れるはずの西面下降路 を行き過ぎてしまうが少し下り、15:30下降路に合流、目印の大木行き着いた。これで夕暮れ前までに車まで戻れるめどがつきホットした。薄い踏み後を辿りながら、ブッシュ帯のガラ場を通り小滝川に掛かる鉄管橋下の石を渡り無料Pに辿り着く。雲行き怪しくなる中、身支度を整えていると風呂から明日のために戻ってきたのか?一旦居なくなっていた松本ナンバーの軽2人が戻ってくるところだった。
随所でポッポッとフロントガラスを濡らす雨の中、糸井川にぬけ鮮魚を求め日本海側から帰名した。いつ も、ご自分は行ったことがあるのにも関わらずお付き合いをしてくださる石田さん、有難うございました。